ケーシング削孔の研究テーマ

 

ケーシング削孔の研究テーマ①

ケーシングはなぜか杭の傾斜に追随する

ケーシングは杭頭から垂直に削孔します。
既存杭が地中で傾斜している場合、ケーシングが杭に触れて、杭の破損などが起こりそうなものです。
しかし実際には、ある角度までは、ケーシングも杭の傾斜に追随して、傾斜削孔をしていきます。
何かを設定しなくても、自然とそうなり、その理由は不明です。
当協会ではこの現象を「既存杭引き抜きにおけるケーシング削孔」の原理部分として考え、解明のために学術研究を重ねています。
この研究はこれからの杭引き抜き工事の大きな礎のひとつとなります。
ケーシングの杭の傾斜1
ケーシングの杭の傾斜2
こうなりそうなものだが
ケーシングの杭の傾斜3
現実はこうなる

 

ケーシング削孔の研究テーマ②

ケーシング内の土砂の供回り(ともまわり)

ケーシングで削孔しているとき、既存杭の周囲の土砂は、ケーシングの回転と一緒に供回りします。
供回りが起こると何か問題があるのでしょうか?
ケーシングが杭の先端に達していない段階では、当然ながら、杭の先端は地盤に固定されています。
つまり杭本体は回らず、周囲の土砂だけが回転し、既存杭にネジレの力を及ぼします。
ネジレの力が大きければ、杭そのものを破壊してしまいます。
当協会では、この供回り現象で既存杭に作用する力を、学術的に解明しようとしています。
これらが解明されれば、杭を破壊しないための削孔方法や、杭直径に対する使用ケーシング内径の標準なども明らかにできると考えています。
供回り現象01
供回り現象02