当ホームページのトップ・スライドショーの中に、「東京駅前、旧丸ビルの基礎工事風景」写真が掲げられています。この写真は大正10年に撮影されたもので、三菱地所株式会社様が保管され、その社史にも掲載されている写真です。社史には「基礎工事 大正10年5月1日撮影。蒸気杭打機により丸太が打ち込まれている」と付記されています。現在では見ることができない「スチームハンマーによる木杭の施工風景」で、我が国の土木建築の歴史を示す、極めて貴重な資料です。
またこの時打ち込まれた木杭(松杭)の現物写真を、当ホームページの「杭の種類とその歴史」のページに掲載しております。1999年の旧丸ビル解体工事の際に、その地下から発見された木杭の1本が、保存処理を施され、現在の丸ビルのロビーに展示されているものです。撮影させて頂いた写真には、表面が黒く変色しながらも、まだ生き生きとした松杭の姿が写っています。それはまさに「時代を超えて文明・文化を支え続けた杭基礎」そのものです。
この杭はオープンスペースに展示されているので、どなたでもご覧になることができます。写真提供と撮影許可を頂きました三菱地所株式会社様に、この場を借りまして御礼を申し上げます。
一般社団法人日本杭抜き協会 事務局
旧丸ビル基礎工事写真(写真提供:三菱地所株式会社)
丸ビルに展示されている「松杭」(撮影協力:三菱地所株式会社)