日本杭抜き協会とは?

 

協会の目的

私たち「一般社団法人日本杭抜き協会」の行動目的は、建設工事における既存杭引抜きの社会的使命を認識し、「PG工法」に代表されるチャッキング工法において一定の基準を制定し、また、更なる技術研究開発と技法の高度化を行うと共に、それらの施工ノウハウを業界で広く共有し、標準工法の正式な認定機関として活動することで、既存杭引抜き工全体の技術向上・品質向上を促し、建設事業の発展と地域環境の保全・改善に寄与してまいります。

事業内容

私たち「一般社団法人日本杭抜き協会」は、上記の目的を達成するために、次の事業を行います。
  1. 各種既存杭引抜きの社会啓発及び広報・普及活動
  2. 各種既存杭引抜工法の高度化のための学術研究活動
  3. 各種既存杭引抜工法の開発及び提案
  4. 協会標準工法の講習会の開催
  5. 協会標準工法の認定
  6. 協会標準工法の積算及び技術資料の整備
  7. 協会標準工法に関する計画、設計及び施工における関係団体との協力
  8. 既存杭引抜きに関する行政施策の実施に対する協力
  9. 会員に対する既存杭引抜工法に関する安全施工及び環境保全のための技術指導
  10. その他、本会の目的を達するために必要な事業

 

代表理事ご挨拶

高度経済成長期に建設された大量の建築物の更新,同じく大量に建設された社会基盤構造物の高齢化が今後集中的に進む中,当該構造物の解体需要は今後ますます高まっていくと予想されています。そのなかで,“輪投げ工法”で代表される従来型の既存杭引抜き工(撤去工)では,引抜き杭の残置,新設杭への悪影響,山留壁の変形,周辺地盤の沈下,跡地利用の障害等,施工中・施工後ともに様々な地盤環境問題が顕在化しています。特に,解体・撤去後の跡地利用の際,地中における産業廃棄物の残存(既存杭やコンクリート殻)は,地盤環境の悪化をもたらす非常に深刻な問題であり,さらに土地売却取引等では「隠れた瑕疵」として社会問題にまで発展するケースが多く見受けられています。
一方,既存杭引抜き工は過去数十年間にわたって大きな技術革新もなく,実務ベースで施工されてきました。そのため,既存杭引抜き工も例えば地盤改良工や土壌汚染対策工と同様,ICT(Information and Communication Technology),CAE(Computer Aided Engineering),さらにはAI(Artificial Intelligence)といった先進的な補助技術を導入する余地があり,これらを導入することにより,既存杭引抜き工自体の技術改善が加速し,これまでの遅れを取り戻すことができると期待しています。
上記した社会的背景・要請を受け,一般社団法人日本杭抜き協会は,“PG工法を基本に据えたチャッキング工法”の高度化によって,これまで若干軽視される傾向にあった既存杭の存在ならびにその引抜き工の適正化に注力します。また,“PG工法を基本に据えたチャッキング工法”の必要性・重要性を学術的な見地から明らかにするとともに,チャッキング工法の技術基準を示す認定機関としての役割を果たしてまいります。これらの活動を通じて,建設技術者として既存杭の撤去に関する倫理感を育み,その上で既存杭の撤去に関連するグランドデザインを創造していきたく思っています。
一般社団法人日本杭抜き協会(JAPEP)は,地盤環境,強いては既存杭を取り巻く社会の情勢・展開を敏感に受け止めつつ,我が国における適正な既存杭引抜き工の普及とその発展に貢献してまいりたいと思います。皆様方のご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
代表理事 稲積真哉
2022年4月20日
一般社団法人日本杭抜き協会
代表理事 稲積真哉