技術名称:PG工法(杭先端パワーチャッキング工法)
開発の趣旨
既存杭撤去工のうち引き抜き工が抱える二つの大きな問題である残置と埋戻し不良は、それらに伴う訴訟等が各地で発生するなど、深刻な問題として顕在化している。また、残置や埋戻し不良が発生した場合、その対処には、想定外の費用と工期を要し、経済的にも負担を強いられることとなっている。
ワイヤー掛けによる引抜き方法では、工法の特性上残置のリスクを回避することは難しく、また既存杭撤去孔の上部からの流し込み注入では、撤去孔の全体にわたって充填材を行きわたらせることは困難であり埋戻し不良の発生リスクも回避し難い。
そのため、コイルバネ併用油圧駆動式のチャンキングケーシングや専用の統合施工管理装置を考案し、これらの問題点を大きく解消または低減することを目的とし、さらに施工管理の確立された既存杭撤去工法として本工法を開発したものである。
審査証明の結果
- 本工法は、直径Φ110mm〜Φ1,500mm、最大深さ67m程度の既存杭を先端から抱え上げケーシングに内包して地上に引き上げることが可能であることが認められた。
- 本工法は、既存杭の中間部などが破損状態であっても確実に杭の先端部まで撤去することが可能であることが認められた。
- 本工法は、杭の撤去(ケーシングの引上げ)と同時に掘削孔の最下方から充填を行い、充填材と泥水が入り混じりにくい置換型の充填方法が可能であることが認められた。
- 本工法は、既存杭の撤去孔全体に充填材を行きわたらせることが可能であることが認められた。
一般社団法人 日本建設機械施工協会 建設技術審査証明事業(建設機械施工技術)実施要領に基づき、依頼のあった「杭先端パワーチャッキング工法(PG工法)」の技術内容について下記のとおり証明する。
令和5年5月1日 建設技術審査証明事業実施機関 一般社団法人 日本建設機械施工協会 会長 金井道夫
「建設技術審査証明」とは?
建設技術審査証明事業は、平成13年1月10日に建設技術審査証明協議会が創設した事業であり、新しい建設技術の活用促進に寄与することを目的として、民間において自主的に研究・開発された新技術について、各会員が、依頼者の申請に基づき新技術の技術内容を学識経験者等により技術審査し、その内容を客観的に証明し、普及活動に努めるものです。
建設技術審査証明書