杭引抜き工事の問題点は?
既存杭の引抜きには二つの問題があります。
ひとつは「杭の地中残置」です。杭が全長引き抜けずに、一部が地中に残ってしまうのです。残った杭の一部は、跡地利用の際にやっかいな地中障害物となり、隠れた瑕疵となります。土地売買取引後に発覚し、賠償問題にまで発展したケースもあります。
もうひとつは「抜き跡地盤の不良化」です。杭を抜いた後の不完全な埋戻しのために、地中に空隙ができるなどして、地盤が弱くなってしまうのです。こちらも当該地の陥没や、周辺の地盤沈下、新設工事への悪影響など深刻な問題を引き起こしています。
ひとつは「杭の地中残置」です。杭が全長引き抜けずに、一部が地中に残ってしまうのです。残った杭の一部は、跡地利用の際にやっかいな地中障害物となり、隠れた瑕疵となります。土地売買取引後に発覚し、賠償問題にまで発展したケースもあります。
もうひとつは「抜き跡地盤の不良化」です。杭を抜いた後の不完全な埋戻しのために、地中に空隙ができるなどして、地盤が弱くなってしまうのです。こちらも当該地の陥没や、周辺の地盤沈下、新設工事への悪影響など深刻な問題を引き起こしています。
折れた杭の地中残置
不完全な注入
「目視できない」ことが最大の原因
「杭の地中残置」「抜き跡地盤の不良化」などの根本原因は、地中の様子が目視できないところにあります。工事が終わり、地表面をキレイにすれば、誰にも分かりません。そのため残置の報告を怠ったり、低品質の埋戻しがなされていることを否定できません。仮に問題が残されていても、何かの悪影響が出ない限り、発覚することはありません。発覚したときには、新設工事時の障害や、陥没や地盤沈下などがすでに発生してしまっているのだから深刻です。
周辺地盤の地盤沈下
隣接構造物の傾斜・倒壊
新設杭のズレや斜坑発生
場所打ちコンクリート杭への影響
受働土圧減少による山留壁の変形
作業地盤不良による重機の転倒
先送りにされる既存杭の問題
現在、ある土地に多数の既存杭があっても、次の新設工事の障害になる箇所だけを引き抜くことが多いです。コストや工期からそのような選択がなされることは理解できますが、見方を変えれば問題の先送りです。
いずれ土地は杭だらけとなり、二世代三世代後に有効活用できない、「死に地」を作り出してしまう行為ではないでしょうか?
既存杭の問題は、発覚しなければ誰にも分かりません。そして今さえクリアしてしまえば、次に工事が行われ問題になるとしても、それは数十年〜百年先です。
この事実が問題の先送りを生む原因になっていると私たちは考えています。
いずれ土地は杭だらけとなり、二世代三世代後に有効活用できない、「死に地」を作り出してしまう行為ではないでしょうか?
既存杭の問題は、発覚しなければ誰にも分かりません。そして今さえクリアしてしまえば、次に工事が行われ問題になるとしても、それは数十年〜百年先です。
この事実が問題の先送りを生む原因になっていると私たちは考えています。